企業が大きくなったからといって、成功を持続できるわけではありません。私を魅了したスポーツでいえば、売上額、チームの契約数、クライアント総数は最も優先すべきことではないのです。
唯一大切な数字はいつだって“一”です。
一人の社員、一人のお客さま、一人の選手、一つの体験。わたしたちが一番大切にしなければならないものは、いつもそこに存在しているのです。
わたしが岩手県で起業したのには理由があります。伝統を祝い、地域を大切にしながら、そこに外からの刺激を加えるためです。
ただ、私も完璧な人間ではありません。毎日、間違いを犯しています。わたしはリーダーとして、その間違いを素直に受け止め、「いまが将来の成長に大きな影響を与える時だ」、と認識しなければなりません。岩手県では、誰も足を踏み入れたことがないプライベートジムという業態、そしてこれまでの食べられないトレーナー職から脱却し、トレーナーが多くのお客さまに身近で、頼りになる欠かせないパートナーとなる世に向けて歩み始めたばかりだからです。それは試練の連続であり、苦難の時でもあります。そんな苦難な時でさえ、わたし自身が今を最高に楽しみ、今しかできない時間を生きる。それをある意味体現するために、2017年には日本のマッターホルンと呼ばれる“槍ヶ岳登頂”にチャレンジしたのです。これは一見、仕事とは関係がない社長の戯れだと思われたかもしれませんが、わたしは、決してそうだとは考えていませんでした。
つまり、いつだってまずはやってみる!
ヴァージン・グループの創設者サー・リチャード・ブランソンは、多くの人の「仕事に対する姿勢」として、 「仕事と遊びを区別する人がとても多いが、私にはよく理解できない。どちらも生きることに変わりはないのに」と、Virgin.comの記事で述べています。
わたしはこの考え方に大賛成なのです。それが“今”という時を懸命に生きていることと同じだと考えています。だけど、考えてばかりいて行動しないのでは、いつまで経っても実現はあり得ません。情熱を持って行動を起こし、時にはつまづいて転んでしまうことだってあります。でも、また立ち上がり再びどうすれば実現できるかを必死になって考える。CEOとしてわたしの役割の一部は、関わる人たちが思い込んでいる限界を超え、さらにわたしが信じる限界すらも超えるところまで一緒に歩むことが、わたしの役目だと思っています。
会社を作り上げた起業家として、わたしはCREDOや市場を、学校で知識を学んだ経営者とは違うレンズを通して見ています。もちろん、そのレンズには強みも弱みもありますが、創業者の強みは、会社の基礎となるブロックの一つひとつを知っていることだと考えています。
そのため、会社を活気づけるのは何か、そのためにはどうすればいいのかわかっている。その知識が、その歴史が、成功のために必要な情熱を呼び起こし、何が正しくて、何が間違っているのかを判断する直感につながるのです。
CREDOの指導者は、もっと上手に健康に関する知識を伝え、使命を果たさなければなりません。目的に裏打ちされた自尊心があれば、トレーナーたちは多くの人の夢を下支える最高のパートナーとして活躍できると確信しています。